くさせんべいと東武のはなし

ひたすら東武のことをつぶやくブログ。「煎餅の旅と日常」の主による別ブログです。

新フラッグシップ列車はどうなる?東武特急の今後を考える

多忙だったこともありブログ放置気味だったくさせんべいです。

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(↑貴重なリバテー3重連)

少し前の記事で「新しく造られる500系3編成は350系置き換えに使われる」と大予想しましたが、見事なまでの大ハズレ(´・ω・`)。置き換えられたのは万年休車状態の200型201Fでした。改造元から数えて半世紀が経過しようとしている350型が2021年を迎えたどころかダイヤ改正後も残ることが決定しており、完全に自身の予想外の方向へ走った感じです。

完全に予想外のことではありましたが、これはすなわちりょうもう号の後継を500系にしても問題ないと東武自身が考えているということではないかと考えられます。

 

さてさて数年前に発表された中期経営計画、そこでは「新型フラッグシップ特急」の文字がありました。ここでの新型フラッグシップ特急とはすなわち登場から30年近く経過する100系スペーシアの後継となる列車のことであり、100系スペーシアと同様の日光方面の運行を担当します。

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…が、その問題のフラッグシップ特急、その計画の2021年に突入してもなお音沙汰ひとつ無く、プレスリリースはおろか噂レベルの話ひとつすら聞こえてこない状況。昨今の感染症流行、それに伴う景気悪化によって計画変更がなされている可能性は十分に考えられますが、噂すら聞こえないと本当に導入されるのぉ?という疑問が湧いてきます。とはいえ100系スペーシアの老朽化を考えると計画中止というのはほぼありえない話だとは思われますが

 

今後が予想出来ない東武特急のこれから。今回はふとコレについて考えてみたくなったので、ここに書き記していきたいと思います。

 

 

東武特急の現状

まず東武特急ですが、現在はライナーとJR直通列車を除く全ての定期特急が浅草駅を発着します。その中で、系統はおおざっぱに2種類、日光方面のきぬ・けごん号他群馬・両毛方面のりょうもうに分けられます。

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りょうもうは浅草駅から分岐点の東武動物公園まで走った後、久喜・館林・足利・太田方面に向かい、大半の列車はそこから先赤城駅方面に向かいます。その他、ごく一部の列車が支線区へと入ります。使用車両は基本的に200型と250型、見た目も車内設計もほぼ同じです。その他、リバティりょうもう号という名前の列車のみ500系リバティでの運転です。

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ライナーおよびりょうもう号を除く浅草発着の特急(以下「日光特急」)は東武動物公園(通過)から分岐して日光線に入り、日光鬼怒川方面へと向かいます。

けごん号は東武日光行、きぬ号は基本的に鬼怒川温泉行、(リバティ)会津号は鬼怒川温泉を通って野岩鉄道の先・会津鉄道会津田島駅へと向かいます。

「リバティ」の名前が付く列車は全列車500系リバティでの運転、それ以外のきぬ・けごん号は100系スペーシアでの運転となります。土休日のきりふり号のみ350型での運転です。

 

その他にJR直通列車があり、新宿・池袋・JR大宮から東武日光鬼怒川温泉へと走ります。車両はJR車と100系スペーシアです。

ライナーの説明は割愛します。

 

まとめると、りょうもう号と日光特急はほぼ別車両を使用しての運転であり、日光特急に至っては内装のほぼ違う複数の列車が運転してる状態です。

 

フラッグシップ特急はどのように導入されるか?

フラッグシップ特急の置き換えは2種類の案が考えられます。

一つ目は100系スペーシアをそっくりそのまま置き換える案。つまり、現在9編成存在する100系をそのまま新車に変える方法。多くの鉄道会社で過去何度も採られてきたやり方です。二つ目は数編成だけ豪華特急を造り、他を500系リバティで代替する案。数編成だけ豪華特急を造り看板特急とするやり方で、この方法はサフィール踊り子や近鉄特急しまかぜのやり方にも似た方法と言えそうです。

私はこのうち、後者のやり方が採用されるのではないかと考えています。理由としては、100系が豪華特急であったDRCの意匠を継ぐ豪華特急であり、新型フラッグシップ特急がそれを直接代替する列車であるからし豪華さが求められるのではないかと考えられるからです。…しかし、100系登場当初の特急がまさしく「特別な急行」であった時代とは違い、現在の特急は停車駅が増え地域の足としての役割も立派にこなしてしまっています。ハイクオリティの観光輸送とそこそこ快適チープな地域輸送、求められるものが全く違うだけに両立は困難であり、観光特急と地域輸送特急に分けた方が合理的だと考えます。また、現在がバブル期でないために豪華列車とはいえかけられるお金は限られているはずであり、ならば数編成のみに資金を集中投入した方がより豪華で満足度の高い列車を造れるのではないかと考えます。

この後者案に基づいて今後の東武特急の今後を考えていきます。

 

これからの東武特急を考える

りょうもう号の置き換え

これからの東武特急を考えるにあたり、最も気になるのがりょうもうの今後。りょうもう号はかなり早くからビジネス急行/特急としての地位を確立しつつあり、内装は豪華列車だった日光特急とは打って変わってシンプルな機能と座席定員の多さが求められてきました。その証拠に200系の定員は398名、500系2編成連結時の定員は322名で座席定員76名のたいへん大きな差があり、これを無視して200系から500系へ置き換えてよいかと言うと…。ただこれが供給不足レベルになるのはゴールデンウイークなどくらいのようで、多くの時間帯では久喜以北ガラガラというのも割とよく見ます。久喜以南はライナー列車なども多いので、輸送を北千住ー久喜以北で絞り込むならリバティでの代替も不可能ではない…のかもしれません。東武はどのように判断するのでしょうね。

ただ、200型の方は車体だけで30年近く、足回りにいたっては60年近くにわたって使いこんでいるためもうそろそろ100系スペーシアともども置き換えするのが望ましいと考えられ、その後継として500系を持ってくるのは効率化という点ではこれ以上になく合理的であると言えます。さらにリバティは分割併合可能な構造であるため需要に合わせた運行をしたり途中駅で増解結をしたり支線区直通を増やしたりということも可能です。

なお1編成だけ完全新造の250型がいますが、そちらは車齢が若いことから200型と同時には置き換えられないと思われます。臨時用に残るのではないかと考えてみますが、実際200型の置き換えが進んだ後の待遇は気になります。考察は後ほど

日光特急の置き換え

後者案、すなわち豪華特急数編成と他リバティで100系スペーシアを置き換えるという想定で考えたとき、地域輸送はリバティが、観光輸送は新型フラッグシップ特急が担当する構図になるのではないかと考えられます。時間帯などにより観光客の多く乗る特急列車とそうでない特急列車が分かれていますので、その観光客の多く乗る時間帯の特急を新型に変えれば少ない編成でも観光客をターゲットに輸送を行えると考えられます。近鉄特急しまかぜみたいなイメージです。

なお現在100系で運転中のJR直通列車ですが、分割併合可能な500系をJR直通用に仕立て上げるとかJR直通用の新型を造るとかというのはあまり合理的ではないと思われますし、JR直通列車自体本当に明確に「観光用」という立ち位置をしているので、新型特急がJRに直通するのではないかと考えます。何て言ったって、「定期券では乗れない」わけですし。

こうすると、りょうもう号も合わせて定期特急列車に充当される列車を現在の3~4車種から2種まで減らすことが出来、たいへんな合理化が出来るという大きなメリットがあります。このことから、多くの500系+一部の新型になるという説はあながちあり得るのではないかと考えます。

今の車両の今後

今現在運行されてる列車は、200型と250型(りょうもう号)、100系スペーシア(きぬ・けごん号)、500系リバティ(「リバティ」の冠詞が付く列車およびライナー特急)、350型(土休日運転のきりふり号)、そこに臨時・団体用の634型スカイツリートレインを加えた6車種。

うち、老朽化で廃車になる可能性が高いのは200型と350型。200型は足回りを相当期間使っているうえに接客サービスも時代遅れになりつつなっており、車体そのものも30年近く使ってますからこれを部品流用で再利用というのはさすがに厳しいとしか思えません。350型にいたっては何故令和の時代になっても走り続けられるのか分からないレベルの時代錯誤サービスなのでさすがに後はもう無いと思います…

予想出来ないのが100系スペーシア。30年近く使っているうえに寿命がそう長くないはずの半導体を用いたインバーターをロクに機器更新せず使ってるため老朽化が心配ではありますが、元々が豪華特急であっただけに接客設備は現代でもギリギリ通用してしまうレベル。東武なら数編成を延々と延命する可能性が否定できないのが恐ろしいところです。JR直通列車は現状100系しか担えないわけですし…

JR直通列車用に延命して残し続けるか、臨時用に数編成残るか、それとも全車廃車か…今後が読めない列車の一つです。

もう一つ気になるのが250型。1編成のみの完全新造車であるため200型と同時期に廃車、という可能性が低いと思われますが、だからといって1編成残したところでという話でもあります。考えられる案としては「新車に混じってりょうもう号運用を続ける」と「りょうもう号運用から撤退し臨時用として活躍する」の2つですが…果たして

なお634型ですが、6050型改造でそこそこ古いとはいえ臨時団体用でほとんど稼働しないことから廃車のタイミングがいつになるかは全く予想できません…

 

新型フラッグシップ特急、設備や運用はどうなる?

新型フラッグシップ特急で現状公式情報より分かっていることは「2021年に動きがある」という一点のみ。ただし、現状や東武の過去の傾向よりおおよその予想はできます。

  1. 100系スペーシアの後継
  2. 運用は浅草ー下今市東武日光鬼怒川温泉区間、すなわち現在の「きぬ・けごん」運用。野岩鉄道会津鉄道には入らない
  3. 6両固定編成
  4. 高いグレードの列車になる
  5. 個室が付く可能性アリ
  6. 走行機器等は500系または既存通勤車の設計を流用

ひとつづつ解説します。

「フラッグシップ特急」の名前からある通り新車は看板特急になることを示しています。現在は500系が新車として目玉となっていますが、100系が日光特急の看板を下ろしたわけではありません。看板特急、となるなら100系の後継が妥当となるわけです。100系の方も登場から30年近くが経っているため、置き換えるタイミングとしてはこの上ないでしょう。100系の後継、となるなら当然置き換えるのはきぬ・けごん運用。自社内での運用となり、会津方面に向かうことはないと思われます。きぬ・けごんのみの運用ならわざわざ分割併合運転をする必要もなく、だったら6両編成にして座席定員を確保する方が合理的と言えます。

豪華特急であった100系の後継…ということなので、おそらくこの列車もそれなりにグレードの高い列車になると予想出来ます。それがサフィール踊り子や近鉄特急しまかぜのように豪華さに振り切った列車になるか、そこそこの設備になるかは完全に未知数ですが、500系を超えるグレードになる可能性は高いでしょう。個室ですが、100系に1両6室着いている個室席は子連れやグループ客を中心に今でも根強い人気があるため、個室数を減らしてでも残すのではないか…と考えます。

最後、500系の設計流用になる可能性について。東武特急は100系で当時高価だったVVVFを惜しげもなく採用してしかも全車電動車にしたり、500系でPMSMを導入したりと、技術面で新しいものをよく採用する傾向にあります。が、その裏ではVVVF搭載の通勤車10080型を試験車代わりに先行導入したり、既存の車両でPMSM試験を行ったりと念頭な準備が行われています。500系導入前には634型を造りあちらこちらで臨時列車をいくつも走らせていました。2021年概要発表だとすると、新車で新しい技術を導入するなら時期的に既に何か新しい技術の試験をやっていなければならないのですが、そのような話を全く聞きません。このことから、あくまで既存技術を活用した車両になる可能性が高いと予想されます。もしも500系の設計を流用すれば保守も楽になりますからね。

とまあこんな感じで考えてみましたが、おおよそこの通りの概要になるのではないかと思われます。公式からの「答え合わせ」の結果を期待したいところです。

 

オマケ

ちなみに…理由・根拠不足で確信はできないものの他にも「こうなる可能性あるかな?」という感じの色々な案が思い付きました。

1、ダブルデッカー導入

いくら豪華特急といえど個室とかビュッフェとかそういう座席以外の設備を多く設けてしまうと当然座席が減り、高額料金を設けなければ1列車あたりの収益性は落ちるのは間違いないと言えます。さらにバリアフリー設備・バリアフリーお手洗いや大型荷物置き、Wi-Fi設置スペースなど近年になるにつれ座席以外に求められる設備サービスや空間は増す一方。実際個室と車販カウンターを設ける100系スペーシアは定員288名と中間運転台を持つ500系の322名より24名も少ない定員となっています。というか100系と比べても24席しか多くない500系ェ…

こうした座席定員の減少を抑える案として思いついたのが「ダブルデッカー」。階下席は眺望は悪くなってしまいますが、そこを個室や車内販売カウンターとすればさほど問題にならないのでは?と考えました。むしろ個室を拡充できるのでアリかもしれません。

しかし東武鉄道ではダブルデッカーの採用実績がゼロ。ハイデッカーですら導入実績がありません。極端に異質な車両は導入しない東武鉄道がいきなりダブルデッカーを導入するか?というと…

2、ハイグレード座席導入

これは東武というより他社での傾向。何度も引き合いに出している近鉄特急やサフィール踊り子はハイグレード座席を導入しており、いずれも人気を集めています。ハイグレード座席とそれに伴う特別席料金の設定は定員減に伴う収益悪化をカバーできる可能性がありますから東武鉄道でもハイグレード座席の導入は正直ありえそうです。ただこれまでは列車そのものが特別だったためにハイグレード座席の設定がなく、東武がいきなり始めるかと言うと少し疑問が浮かびます。ただダブルデッカーよりは現実味がありそう。

 

3、あえての3両編成説

次世代の特別急行はどうなるのかなぁと書いていたときふと思いついてしまった説。「3両編成だと2編成繋いだとき個室とか車販スペースとかも2つになってしまうのでは?」…違います。グレードの高い3両の特急を造りリバティと連結して運転するのです。日常の足としての特急と、観光輸送としての特急…相反するその2要素を「どっちも繋げる」という方法で解決しようというアイデアです。仮に、1両を車販カウンターと個室を設けた車両、他2両をハイグレード座席にする案で考えてみます。こうすると、リバティの通常座席3両を普通席とみなした1本の列車を運転する、とみることができます。[全車指定席でグリーン車比率を増やした特急踊り子]…みたいなイメージです。

ここでは前提として、「リバティと新型車をつなぐ」「+αの特別料金を徴収する」「リバティ側はかつての料金で乗車出来る」と考えてみましょう。

メリットは何と言っても編成全体の定員を増やせること。新型を3両のリバティ1編成約160名の半分の80名にしたとしても、リバティをつなぐことで編成全体で約240名が確保できます。そして普通のリバティ車両をつなぐので、観光客は新型に、特急を利用したいだけの地域住民はリバティに乗ることで観光輸送と地域輸送を両立することが期待出来ます。1列車で全ての輸送を担うので、全ての時間帯の列車を地域輸送に用いることが出来ます。3両編成なので観光客の利用しない日は外してリバティ単独運用ともできます。いわゆる需要調整ですね。

もう一つメリットがあります。3両編成なので、単独運転なら電力的にも会津乗り入れが可能となることです。会津方面までの需要がどれくらいあるかは分かりませんが、看板特急の会津乗り入れは南会津の活性化になる可能性があります。たぶん。

まあもちろんデメリットは存在します。中間運転台があるのでリバティと同様に座席定員が減ってしまうというデメリットが存在します。ただこればっかりはどうしようもない問題と言えそうです。

もう一つ。「相互移動」の問題です。簡単に言うと、リバティ側の乗客が新型車に来ていいの?という問題です。連結して運転するので当然ながら車掌の移動や誤乗客移動のためにつなぐことは当然となりますが、一般のお客様はどうするか…という問題が発生します。移動不可となった場合、リバティ側のお客様は車内売店が利用できません。一方移動可能となった場合…リバティ側で指定席を取った客が物見遊山の感で新型車に来て写真撮ったり勝手に空席に座ってみたり通路歩きまわったり…例えそれがなくても車内売店にズラッと並んで目障りだのうるさいだのとなる可能性があり…こういう事が起こると特別列車としてのサービスが悪化することにもつながりかねないのであまり良いとは言えそうにないですね。車内販売の問題は「車内販売ワゴンをリバティ側に巡回させる」という策を採れば解決できますので、原則不可が適切のように思われます。

と、まあ突拍子もなく思いついたアイデアの一つではあるのですが、思った以上にメリットが大きく正直かなり現実味のあるアイデアのように思ってしまいます。堅実的にやってきた東武ですが、ここに来てTHライナーだのSL大樹だのと数年前の東武ではとても考えられなかったことを唐突に初めるようになっており、ぶっちゃけこのアイデアに近しいことを始めてもおかしくないのが最近の東武なのです。

 

新型車両70000系の置き換えが完了し、集中的な車両増備はひと段落した状態。中期経営計画の通りに進むのであれば、少なくともこの1年の間に概要が発表されることでしょう。現代の東武がどのような答えを導き出すのか…その結果に期待しながらこの妄想語りを締めることといたします。

東武特急の置き換え計画が読めない

こんにちは。旅行ブログの方がほったらかし状態のくさせんべいです

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先日より、今年度増備分の500系リバティ甲種が行われ、まーた撮り鉄界隈が賑わっているようです。

これにて今年度分増備の5編成のうち残り3編成分が増備され、今年の増備は終わりました(残りは春に増備された70090系2編成)が、この3編成は土休日運転のきりふりと波動用以外に使い道のない350系置き換え用ではないかとの見方がファンの間で強まっています。

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さて、話は変わりますが、コチラは100系スペーシア(上)と200系(下)。100系「けごん」「きぬ」、200系は「りょうもう」として運用される列車ですが、100系は1990年・200系は1991年に登場し、どちらももう製造から30年近くが経過しています。サービスの陳腐化やコンセントがないなどの問題点を考慮するともうそろそろ置き換えるか第一線から撤退させる必要が出てくる時期となっています。

実際、100系に関しては中期経営計画に「日光線の新型フラッグシップトレイン」として置き換え計画の話が少し出ており、時期としては来年度となります。200系に関しては公式発表皆無ですが、床下機器に関しては64年も前の設計が基礎となっており、下手したらこのまま65年、70年となってしまいます。コチラも置き換えが必要になっていると思われます。

 

さて、私のなかではこんな感じの置き換え計画予想を立てていました

 

日光特急(東武)→新型車両   100系第一線から撤退 500系はそのまま

日光特急(JR)→100系機器更新   動きなし

波動用→100系機器更新    350系廃車

    250系波動用へ編入

りょうもう新型車両      200系廃車

 

と、こんな感じで考えていました。しかし今回500系が純増したことにより、波動用の仕事が500系に奪われることになり、100系の行先が事実上失われることとなりました。

となれば考えられる先として、

りょうもう用に転用

・地方私鉄に譲渡

・廃車

というかたちが考えられますが、100系の個室とビュッフェがある特殊構造上、りょうもう用にするには座席の置きなおし、個室撤去、機器更新と大掛かりな改造をする必要があり、いくら魔☆改☆造の東武でもさすがにやるとは思えません。となれば考えられるのは地方私鉄譲渡ですが、コチラも先頭車が個室という特殊構造ゆえ短編成化したときに個室が邪魔になり、改造するのも大変なのでちょっと考えにくいです。

なら廃車、という選択肢がありますが、「廃車?あの列車を使い倒すことに定評のある東武が??」という考えが頭をよぎります。

100系に関しては、JR直通を置き換えるのかそれともそのまま使うのかという問題があり、さらに200系廃車時の250系の処遇をどうするかという話にもなり、正直言ってどっちに転がるのかまったく読めない状況になっているのが現状です。

 

 

ひとまずここで、現状の列車の問題点を考えてみます

100系VVVFの老朽化、コンセントはおろか背面テーブルすら無い座席

・200系→床下機器の老朽化、一部座席に背面テーブルが存在しない、コンセント皆無、2010年台に入って座席更新したばかり

・250系→1編成しかない

500系→定員が少ない、車販スペースが無い

 

 

次いで、次の新型車両に求められる設備を考えてみます。赤文字は絶対必要なもの

・日光特急→コンセントグループ用テーブル(ひじ掛けの折り畳みテーブルなど)、背面テーブル、車内販売、個室、広めのシートピッチ、フリーWi-Fi

りょうもうコンセント背面テーブル、座席定員の多さ、フリーWi-Fi

・臨時波動用→コンセント、背面テーブル、高い汎用性

日光特急に必要そうな設備を「個室」としたのは、現在の100系個室の人気が高いため。実際グループ利用や騒ぎたい人、またよく泣きがち/大人しくできない子供連れの層なんかにも需要があり、6室しかない個室は休日午前中とかの列車を中心に即座に売り切れてしまうんだそう。区間利用も少なくないですが、そういう人はだいたい普通車に乗るのでやはり観光客向けの設備が必要となってきます。

一方、りょうもうはビジネスの利用が多く、遠距離ライナー列車的な役割であることを考えると座席定員が必要となってきそうです。コンセントや背面テーブルの需要は日光特急以上になるでしょうし、フリーWi-Fiも欲しいところです。

臨時用は基本的に走らせる線区により適切な車両を使うのが最善でしょうが、団体用やツアー用となると話が変わってきます。無駄に個室だの車内販売だのを付けるより、調整可能な普通席がズラッと並んだ車両の方が便利です。しかしコチラは既に500系という便利車両があるので、置き換える必要は無いかと思われます。

 

それを踏まえ、いくつかあり得る置き換え案を挙げてみます。

 

  • 案1

・日光特急→JR直通ごと新型に置き換え、100系全列車廃車

500系はそのまま、波動用は500系にて

りょうもう→新型車両に置き換え、250系も容赦なく廃車

ぶっちゃけ何も考えなくていい最も簡単な置き換え計画だと思います。というか、正直もっともあり得る計画じゃないかなって思います。

  • 案2

・日光特急→豪華列車を2~3本製造、それ以外は100系を更新(JR直通も更新のみ)

波動用に250系を編入100系250系500系にて臨時や団体の運用に入る

りょうもう→250系を除き新型車両に置き換え

JRの踊り子/サフィール踊り子のように豪華新型車両を新造し後は従来の車両でやり繰りするやり方。日光特急の汎用性が薄れるものの、これなら既存の列車をまだまだ使えます。尖った車両なら話題にもなりますし、観光特化にもできます。

 

 

ということで新型車両の置き換え計画を考えてみました。正直言ってこれが全く違う結果になる可能性は十分高く、いろいろ考えているものの結局「読めない」という結論となっています。サービスの陳腐化が進む中、今後の東武特急がどうなるか楽しみです。

 

 

 

 

 

オマケ:主の妄想爆発

 

日光特急ですが、具体的に「どういう感じになるか」を考えてみました。

 

案1 オール回転リクライニングシート、トイレ以外の特殊設備無し

…これは既に500系が担当してるので、これは無さそうです

 

案2 100系正当後継車

要するに個室6室+ビュッフェのスタイル。これなら置き換えのときに構造が同じであり、置き換え完了するまで代走だのなんだのに困らないスタイルです

現在の列車もそうですが、せっかくなら沿線の伝統工芸品とかちょっとした地元銘菓とか売ってほしいですね?

 

案3 2両ダブルデッカー

平屋席に電動機を置き、日光側2両をダブルデッカー(2階建て)にするやり方。個室席を階下に置けば個室を確保しつつ座席確保が可能。眺めはもちろんいいですし(それだけの景色が東武線内にあるかは微妙ですが)、なんなら先頭車をパノラマにできます(それだけの景色がa(ry)

ビュッフェをどうするかは微妙ですが、階下席に置くと個室席が減りそうだなぁと。搬入の手間も考えると、日光側前から3両目に設けるのがよさそう。

バリアフリーは平屋席で対応します。

 

案4 観光特急

要するにJRでいう乗ってたのしい列車とかそういうの。具体的に言えば、花嫁のれんとかとーほくえもーしょんとか

もちろん日光特急に全面的に採用することなど不可能なので、数編成だけ造るやり方となります。

案4-1 よくある観光特急

水戸岡マヨネーズばりの奇抜なデザインの列車を造り、特急料金にプラス上乗せしてでも座席定員を少なくして楽しんでもらうスタイル。浅草・春日部・栃木・日光などの伝統工芸の展示販売、沿線の食材を使った軽食や名物を販売してもよさそうです。浅草→日光で時間が2時間弱なので、入れ替わりを考慮するとこのスタイルが良さそう東武らしさ」は崩壊するかも…

案4-2 レストラン列車

車内をミトーカよりは多少シンプルにしつつ、食べる特化の車両に。2時間弱だとドタバタになってなかなか大変そうなので微妙ですが、例えばこれが「会津田島行」であれば所要時間が3時間強になり、食事と乗車を合わせると丁度よさそうな感じです。途中乗車だと正直微妙なので乗車は浅草、とうきょうスカイツリー、北千住に絞り、下車は野岩鉄道会津鉄道線内に限定、という感じで…。ただ、スイーツだと磐越西線のアレの二番煎じですし、本格ピザは西の方でやってますし、高級料理だとすぐ西のとこがやってますし…。せっかくなら沿線の食材や名物を、と思いましたが、貧相な知識ですと会津絡みで「蕎麦」の列車くらいしか思い浮かばなかったです。でも日光湯葉や埼玉東部名産の小松菜とかは蕎麦に合いそう。時折、大内宿のねぎそば的なのや両毛地区のうどんをメニューに入れるというのも楽しそうだなと感じました。

でもコレ日光特急を置き換えてやるものじゃねぇな???

 

 

以上妄想おわり

東武じゃできなさそうですが、コタツ列車とか乗ってみたいな~とか考えております

東武伊勢崎線に北千住~新橋の地下新線を造る計画があったらしい…というお話。

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浅草の繁華街の脇にそびえる駅、「浅草駅」

駅ビルのなかに入っているその駅は言わずと知れた東武鉄道のターミナルで、東武特急が発着する東武鉄道の拠点駅の一つとなっています。

ですが、拠点駅であると同時に、この駅は「残念なターミナル」という不名誉な名前も貰ってしまっています。というのも、この駅は都心側のターミナルでありながら最大で8両までしか入ることができず、しかも大半は6両までしか対応していないという、昨今の大量輸送時代とは思えないほど輸送力が乏しいターミナルとなっています。

 

こうなった原因は

  1. 立地上墨田川を渡ってすぐのところに駅を造るほかなく、土地が少なかった
  2. 延伸当時、山手線ではなく浅草が東京の中心街であった
  3. 延伸当時は10両編成などとても考えられぬ時代で、2両4両が当たり前だった
  4. 両国、越中島など都心の他のターミナルを確保することができなかった
  5. 上野・浅草は既に栄えており、地下鉄計画が真っ先に実行されることになったため上野への延伸申請が却下された。またもう路線を造るための用地がなかった。

などといった度重なる不運により現代こうした駅になってしまったようです。もちろんそんな状況であっても大量輸送時代は訪れるもので、この対策として

  • 日比谷線への直通→山手線アクセスの確保
  • 新車投入、旧性能車の車体更新→輸送力強化
  • 業平橋駅を利用した折り返し能力強化(のちに不要となり現在この機能は消滅)
  • 北千住~北越谷の複々線化工事→列車本数増強、遠近分離、定時運行率の向上
  • 北千住の立体化→ターミナル機能の強化、安全性の向上
  • 半蔵門線東急田園都市線との直通運転→輸送力の確保

といったさまざまな対策を行い、迫る大量輸送時代へと備えました(というよりその対策中に大量輸送時代が訪れ、大量の乗客にもみくちゃにされながら必死で輸送改善を行ってきた、という方が正しいかと思われますが…)。

 

ということでここからが本題。不便なターミナルを持ってしまった東武鉄道、この山手線アクセスの改善の一貫として日比谷線へと直通を行い、結果として急速に発展していった経緯を持ちます。ですがが、日比谷線開業前の頃に実はもう一つ、新たな都心のターミナルへと乗り入れる構想があったそうです。

 

このことについての詳しい話は、東武鉄道公式の「東武鉄道百年史」に載っているそうですが、残念ながらこれがまた万を超えるお値段であって一般に流通するようなものでなく、それゆえ手元に存在しないため、東武伊勢崎線日光線 古地図さんぽ」という本のコラムより抜粋するかたちになります

またこの構想以前にも都心乗り入れ計画はいろいろありましたが、これらについては省略といたします。亀戸線の存在と直通の話は結構有名ですし。

 

昭和の中頃、東武鉄道運輸省にある新線計画を提供します。提出されたのは昭和30年、内容としては北千住~新橋に地下鉄新線を造る、というものでした。地下鉄新線、もちろんそれは営団とかの線路に乗りいれるのではなく、自社で線路を建設しようというものだったようです

 

東武伊勢崎線北千住駅を出て千住橋戸、南千住、三ノ輪、千束、寿町、蔵前、浅草橋、人形町茅場町、八丁堀、銀座を経由し新橋駅へと至るルートだったようです。

途中駅は、三ノ輪、浅草、田原町、浅草橋、人形町茅場町、築地の予定だったそう。

推定ですがルートをマッピングしてみました。

最初は南千住まで常磐線日比谷線と同じように並走…または、その西側を走り、三ノ輪付近で浅草方面(現在のつくばエクスプレスのルート)へ、田原町から蔵前、都営浅草線に沿うルートとなったあと現在の東日本橋駅付近から人形町付近を経由して茅場町に抜け、銀座、築地から汐留をかすめるようにして新橋、というかたちであったと推測されます。

一応大通りに沿うかたちとしましたが、この時期に大通りが完成していたかは不明です。これは推測なので、間違っている可能性は十分考えられるでしょう。

ルートとりでは北千住~三ノ輪のところ、人形町のところ、新橋のところが少しごちゃっとしており、この辺がどうなっていたか少し分かりませんでした。

 

用地買収のことは置いておいて、浅草、田原町、浅草橋あたりのどこかの駅を4線化できれば速達列車の運転も可能とみられ、東武伊勢崎線から山手線へとかなり素早くアクセスすることができたと考えられます。新橋乗り換えで都心を素早く通過するひとつの手段ともなりえたように思えます。

 

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結局この新線計画は二転三転し、結局最終的には営団が地下鉄日比谷線を造って東武がそれに直通する、という実史に落ち着きます。ですがそれは自社路線ではなくあくまで「他社に乗り入れる」というかたち。しかも東急と営団がゴネたために早く開業することに対する莫大な代償として「18m車のみ、両数制限あり」という現代にまで波及する大きな大きな足枷を着けられることとなります(しかも後年になって「やっぱ20m車走らせられるわ~www」となったんだからもうね)。

 

これは妄想でしかありませんが、もし仮に日比谷線が20m車10両編成を乗り入れられる構造であれば、日比谷線直通をメイン輸送ルートとして、準急・急行の日比谷線直通などもっと便利になっていた可能性も考えられます。ですが、開業を早めたことでまだまだ電車の時代だったうち(=モータリゼーションがなかばだった頃)に開業させることができたとも捉えられることができ、どっちが正解だったのかはわからないです。

 

少し話が脱線しましたが、もしこの地下鉄新線計画が実現していたならば輸送力拡大のための工事も自由に行えたはずですし、何よりこの路線が秘めていた存在価値は大きなものになっていたのではないかと思います。それだけに、この新線が実現しなかったのは残念でたまらないですが、だからといって実現しなかったものを嘆くというのは野暮なことなのでしょうね。

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今の時代ではもう都心直通新線など夢のまた夢みたいな話ですが、「東武鉄道のみで高速で山手線主要駅にアクセスする」というのは沿線住民である私の叶わぬちょっとした夢だったりします。いつかまた、都心に新線を造ろうと言い出す時代は来るのでしょうか(たぶん来ない)。

 

 

ちなみにこれは余談ですが、日比谷線直通が各駅停車であること、常磐線が交直車である関係で品川までしか乗り入れられないことのせいで、東武線内の急行駅から横浜方面に素早く抜けるには乗り換え2回しなければならないことや、乗り換え乗り換えで新宿に素早く行けないことも伊勢崎線(スカイツリーライン)の不便さを際立たせるのではないかなって思います。朝ラッシュ混雑率は他路線の上位連中ほどヤバくないらしいですが、それでも乗り換え多くて不便となるとどうしてもねぇ…

 

 

参考文献

東武伊勢崎線日光線 古地図さんぽ』2018年 フォト・パブリッシング(株)発行 メディアパル(株)発売 坂上正一著 p.43

その他、『東武鉄道百年史』にも記載があるようです。

 

 

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東武350系、間もなく引退の噂?

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こんにちは。くさせんべいです。

本日2020/7/14、東武鉄道公式HPより、「2020年移動等円滑化取組計画書」が発表?されました。その内容は簡略に言うとざっくりした駅設備(バリアフリー未対応駅)の改良計画、今年度のホームドア整備計画、その他バリアフリーに向けた整備計画について書いたものです。そしてその中に「バリアフリーに対応した新型車両を5編成導入します」という文言があり、その文言について東武ファンの間である噂が流れていたので、ちょっとそのことについて書いていきたいと思います。

 

注意・この記事は推測や噂などを元にした、すなわち確定情報が無い状態で書いています。そのため、情報を鵜吞みにする、またこのことを「確定情報」として拡散する行為はせぬようよろしくお願いいたします。

 

 

350系、間もなく廃車?

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この文書の中には「5編成導入」というのが書かれていました。さて、2020年度(3月はじめ)は現在もう1/3まで進んでおり、その間に導入された列車は2編成あります。私がさんざん書いた「THライナー」に使用する70090系、その第5編成、第6編成です。

この時点で、今年度に増備していないのは3編成。なのですが、その「3編成」という数は、なんと350系の編成数と一致するのです。

kusasenbei.hatenadiary.com

ちょうど2週間前ですね、350系は間もなく引退するのでは、と推測したうえで、まだ公式発表がない今のうちにと350系きりふり号に乗った乗車記を書きました。

当然ながらもうすぐ引退と推測した理由はあります。この数ヶ月前、350系が毎日運転の定期列車としては最後の「しもつけ号」(宇都宮線直通特急)が廃止されてしまったからです。これにより残すは東武日光行の「きりふり号」のみとなりましたが、この乗車記において私は「350系の運転だからわざわざきりふり号なんて愛称を残しているわけで、運用自体は別に350系でなくてもいい」と書きました。そのうえで、「きっと100系置き換えのタイミングで廃車になる」との推測も書きました。

ただ、よくよく考えてみれば、100系500系で置き換えられる運用をわざわざ350系で残しておく必要あるか??」というもっともな疑問があることも事実です。

 

この増備計画に際し、ファンの間では「350系を廃車して500系リバティを増備するのでは」という噂がたっています。そこで、350系を残すメリットデメリットを考えてみましょう。

・新車導入ほど一気にお金を使わない

  • 350系を残すデメリット

・リクライニングしないシート、和式お手洗いと接客設備が時代錯誤。それで特急料金とってる。普通運用には使えない、既存の特急の代走もできない。

・最高速度110km/h(100系500系の設計上最高速度130/h、営業では最大120km/h)

・運用がかなり限られる。平日は全編成ニートレインと化す。

・休日の1運用のために3編成も必要⁇

・予備がなく、供給の頼みがほぼ皆無の部品も存在すると思われる

・故障が何度か起こってる

・純粋に車齢がやばい

・維持費は500系の方が安いと思われ

 

・日光特急から通勤ライナーまで、活躍の幅が広く何にでも使える

・夜割午後割を設定ぜすリバティ料金をふんだくれる。

・近年、アーバンパークライナーでの活躍が増加傾向

・リクライニングシート、背面テーブル、コンセントつきと現代にふさわしい接客設備

・純粋にカッコよく見栄えがいい

  • 500系を増備するデメリット

 ・導入にはまあまあお金かかる(※新車に共通の特徴)

・比較して1両減車なので定員は減る

 

はい、もう350系を残すメリット皆無ですね。いちおう、350系には団体運用や貸切というのもあるのですが、この貸切が満員御礼だった例はあまり見たことなく、500系1編成を使えば十分載せきれてしまうように思います。そうでなくとも2編成繋げた6両編成なら十分でしょう。

おそらく350系は運用面でもサービス面でも「扱いづらい」車両になっているはずなので、350系を廃車して500系を増備するというのは実に合理的で筋の通っている話だと言えるでしょう。

 

350系はおそらく新型特急車両で100系を置き換えた後に廃車になるんじゃないかな~と推測していましたが、この噂が本当なら思った以上に早い時期に廃車になりそうですね。もしかしたら来年まで持たない可能性も十分考えられると思います。となると9編成も存在する100系をどうするのか??という疑問もわいてきます。JR直通対応の3編成は残すと仮定しても、6編成も波動(臨時)用特急が必要なわけがないですし、地方私鉄に譲渡するにしても先頭車1両は個室だから要改造ですし…そういえば、ちょうど足回りは50年以上経っていてぴったり9両存在する特急型が存在してましたね?

今確認したところ、350系は351F、353Fがもう製造から50年以上経過(本来の1800系時代から数えて)していたようでした。野田線8150Fの中間車2両が営業列車では最古参のようですが、350系もそれに負けず劣らずの古さであり、なるほどこりゃあ老朽化がやばいはずだと言いたくなります。というかもしかして、(ほぼ原形を残している)私鉄特急としては最古参?

ともかくも、350系があまり先長くないのは間違いないと思うので、早め早めに記録を行った方がよさそうです。

 

350系置き換えじゃないケースを考えてみる

 もしも350系置き換えのための増備じゃないとしたら、どんなものがあるかちょっと考えてみましょう。

  1. 60000系増備、野田線8000系最古参の廃車
  2. 特急の純増
  3. 東上線の車齢やばい通勤電車置き換え

まず1について。350系じゃなければたぶんこれがありうる話かなって思います。8150Fは野田線、アーバンパークラインの中でも最古参に位置する列車で、最近ついに車齢50年が経過してしまいました。当然ながら修繕工事は受けており、宇都宮線8000系の置き換えで部品には余剰が出ているはずですが、それでも老朽化はそれなりのものじゃないかと思います。まずはこれの置き換え、次いで複線化、増発による増備。複線化を進めている野田線においてはむしろ車両を増やさないといけない状況にあると考えられ、その点では1本~2本廃車3本増備はあり得ると思います。とはいえ60000系も最終製造から5年くらい経過してるので、マイナーチェンジくらいはするでしょう。

次に、特急の純増。アーバンパークライナーが最近になって柏まで延長されたのでそれに伴う500系増備の可能性も考えられます。が、それに3編成必要かというとちょっと疑問ですが…

最後に、東上線の一部列車置き換え。地下鉄直通に造られたものの現在は東上線内完結運用に入っている9000系9101Fなんかはまもなく製造から40年が経過しようとしているにも関わらずリニューアル工事を受けておらず、老朽化が心配になってきます。とはいえあと2編成はどうするの?となりますし、東上線にたった3編成導入したところでむしろ扱う車種が増えてしまうことにもつながるので、この可能性はどうなんだろうか、とは思います。

 

その他、移動円滑化計画について

移動円滑化計画の1つとして他に気になったところと言えば、やはりホームドアでしょうか。2020年度はもう設置された北越谷の他に、北千住3階(日比谷線ホーム)、新越谷、志木1、2番線が設置対象となっているようです。

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なんかもう懐かしくなってきた感じですが、これは複々線区間の内側線を走る10000系普通列車。結構お気に入りの1枚です。内側線運用そのものは残念ながらこの前のダイヤ改正で廃止されました…といことはどうでもよくてですね、

これは新越谷駅よりしゃがみ込んでのアングルで撮影した写真なのですが、こういった写真も今年中に撮れなくなってしまうようです。また今後、ホームドア工事の進捗により撮れなくなるアングルが出てくると思いますので、コチラも早めに記録しておいた方がよさそうです。

 

さいごに

ということで、移動円滑化計画に際し思ったことを書いてみました。最初に赤文字で書いたようにあくまで噂ですので、まったく大外れする可能性は十分に考えられると思うんですね。車齢上限界を迎えそうな車両も増えつつあるなか、これからお別れしなければならない車両もどんどん出てくると思います。鉄道ファンとして「乗っておけば…!撮っておけば…!」と後悔することのないように、積極的な乗車と日ごろからの記録を心掛けたいものです。もちろん、鉄道会社と利用者の皆様に迷惑をかけない範囲内で。

 

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引退を見据えて…東武350系きりふり号で日光まで完走する乗車記

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こんにちは。くさせんべいです。私の地元駅からはるばる、浅草駅までやってきました。日付入れたのはキセルしてない証明。

※乗車記の流れの都合上、時系列を改ざんしています。

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今回余計な運賃を払ってまでわざわざ浅草駅まで来たのは、特急車両350系に乗車するため。※正確には350ですが、東武関係でもかなり表記ゆれが多いため「系」を使います。

350系といえば、最近浅草ー宇都宮で走っていた350系使用の特急「しもつけ」が廃止になったことが記憶に新しい車両。現在は土休日運転の「きりふり」が残っています。

早速ホームへ

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ホームには、丁度「きりふり82号」の運用を終えた列車が。この列車は春日部を9:16に発車し、北千住曳舟とうきょうスカイツリーと停まって浅草に9:52に到着する列車。土休日運転のきりふり号の1つで、平日に運転されてないことを鑑みるに送り込み運用かと思われます(都内お出かけ層も若干意識してるかも)

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この列車は一度回送となり、とうきょうスカイツリー方面へと引き上げていきます。おそらくとうきょうスカイツリー駅すぐ近くの留置線に引き上げ、運用に向けた整備かと思われます。

f:id:Kusasenbei:20200628200945j:plain f:id:Kusasenbei:20200628201041j:plain←ココ

 

f:id:Kusasenbei:20200412231334j:plainf:id:Kusasenbei:20200412232222j:plain過去写真

この車両をざっくり説明すると、不朽の名車"東武8000系"をベースに造った急行型"東武1800系"(全面真っ赤でりょうもうやってたアイツ)を、現行の200系250系導入に際し改造して誕生した列車。このとき、6両編成が300系、4両編成が350系となりました。主に急行型として活躍していましたが、2006年の種別大改編により「急行」の種別を通勤型に奪われる譲り渡す形で特急に格上げされました。

6両の300系に関しては残念なことに数年前に廃車になっております。その後はしばらく動きがありませんでしたが、2020年6月のダイヤ改正で宇都宮発着のしもつけ号が廃止。残る定期運用は土休日運転のこの「きりふり号」のみとなりました。

このきりふり号ですが、いわば350系だからこの名前で、特殊な料金体系もこの列車のために残してる、と言える列車です。運行区間も浅草~春日部~東武日光と「けごん号」と丸カブリ。まあ要するに何が言いたいかと言うと、別に350系でなくても構わない列車、ということなのです。

今はまだ臨時特急や団体列車としてまだまだ使い道があります。ですが、2021年以降には100系(スペーシア)を置き換える新型特急の導入が控えており、それはすなわち100系の余剰が大量に出るということでもあります。元々急行型だったゆえに接客サービスは時代錯誤の感が否めずさらに種車の登場から30年を余裕で超えることを考えると、新車導入に伴って臨時・団体運用ともに100系に置き換えられることはほぼ間違いなしでしょう

※引退予測はあくまでいち鉄道ファンの予測であり、公式サイドからの発表が無以上違う動向をする可能性は十分考えられます。

 

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ということで今回は、この先そう長くないであろう350系運用の列車「きりふり281号」に乗車します!

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350系は3編成、そして今回乗る列車はラストナンバーの353F。写真に撮ってませんが、先ほどのきりふりも353Fで、休日運用全てがダイヤ上でも1編成で回せることがわかります。しもつけ定期運用時代ならともかく、現在3編成も必要かと言うとちょっと首をかしげます。延命のためと交互に運用に入るのか、はたまた維持費が無駄だからとか部品取りのためとかで1編成廃車となるのか。

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特急型では今や珍しくなりつつある幕式の行先表示機。「しもつけ」「きりふり」、鬼怒川線方面の「ゆのさと」の他に、急行時代の幕も残っており、幕回しではその一部が見られます。急行幕列車はともかく、「ゆのさと」は廃止までにもう一度は運行してほしいところですが、はたして。

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指定した4号車は、夜行時代に女性専用車として活躍する車両。ですが、尾瀬夜行・スノーパルともに500系に置き換わってしまい、さらに日光夜行も100系でしか運転しないのでもう不要のステッカーなのですが…

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発車時刻も迫ってきているので、そろそろ乗ってしまいましょう。

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4号車12番D席を予約。といってもガラガラだったので、発車30~40分くらい前でも余裕で予約できました。特急料金は1050円。東武では土休日特急料金を採用しており、本来の土休日料金なら1470円、平日だと1360円。きりふり号だと料金が高くなる土休日において420円も安くなり、かなりお得。まあ相応の対価がありますが。

 

時間になると発車メロディー「Passenger」*1が流れ、まもなく発車します。この発車メロディーを聞くと、これから旅に出るんだ…!という感じのワクワク感を感じます。

 日光に向け、いざ発車!

 

きりふり281号 運行ダイヤ

浅草          10:38

とうきょうスカイツリー 10:42

北千住         10:51

春日部         11:11/11:12

栃木          11:51/11:52

新栃木         11:55

新鹿沼         12:10

下今市         12:30/12:31

東武日光        12:39

区間所要時間 2時間1分

 

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列車はすぐにとうきょうスカイツリー駅へ。

とりあえず複々線区間に入る前に、車内散策をさっと終わらしておきましょう。

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さて、さんざん「時代錯誤の接客サービス」とか「(特急料金の安い)相応の対価」とか書きましたが、その理由の大半がここに詰まっています。座席の手すりをよ~く見てみると、特急型にはあってしかるべきモノがありません。…そう、リクライニングレバーです。

1800系製造時に「急行用だから」…と言う理由なのかコスト面の理由かはわかりませんが、特急に準ずる急行型としてリクライニングしない回転クロスシートを設置。当時は特急はまさしく「特別な」急行であったから格差があったのは別に問題なかったのですが…350系への改造時に(1720系の廃車発生品に交換しときゃよかったものを)交換することなくまるっと流用し、そして2006年に種別大改編を行ったために「リクライニングシートですらない特別急行」なるトンデモ列車が生まれてしまいました。

さすがにこの設備で急行料金を取るのはまずいと上の人も考えたのか、きりふり・しもつけ・ゆのさと用の安めの特急料金が設定されています。これがきりふり号が安い理由。

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最前列には上げ下げできるテーブル。写真はありませんが、普通の座席にも背面テーブルがついています。どういうわけか90年台に造った100系と200系からは「おひとり様利用」の考え方が抜け落ちているようで、現行の100系スペーシアけごん(きぬ)・200系りょうもう共に横から持ち上げるテーブル(上写真の座席間に見えるヤツ)しかありません。そんなワケで、500系が登場するまでは300系350系が背面テーブルのある数少ない列車でした。ひっでぇ二択だ

立てるテーブルはボックス席にしたときに活躍するのですが…今は座席横に格納する小型テーブルがついた座席も他社を中心に採用されているので、今後むしろ立てるテーブルは邪魔になりかねないですね…

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後ろの方の座席は開いていたので…一番後ろの座席は戸袋となっており、駅に停車するたび扉が動くのを見せられることになります。「座席裏のスペースを荷物置きに使えるから…」と言いたいところですが、今回はどう見ても他人の特大荷物が後ろに挟まっておりました。最後尾席予約者カワイソス(´・ω・`)

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デッキ部は白色が基本のやや無機質な感じですが、国鉄キハのようにステンレスむき出しでないのでそんなに暗い感じはしません。乗務員室含め運転台方面には窓というものが一切なく、前面展望・後方展望は見れません。最もこれは100系500系ともにそうですがね。

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いかにもシンプルさを突き詰めた感じの車内ですが、車内は明るく狭苦しい雰囲気は感じません。

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デッキと客室を隔てるドアにはオレンジの色付きガラス窓が付いてます。色付きガラス採用って、かなり珍しいんじゃないでしょうか??

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3-4号車間デッキにはお手洗いと自販機。この他に、1-2号車間デッキにもう1ヵ所、つまり何故か2ヵ所も自販機が設置されてます。この列車4両編成ですよ??

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あったかいのは飲めないようで

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↑時代錯誤サービスその2。見栄えよくないので小さめ画像で。いまだに和式のお手洗いで、しかも手洗い場所も足でレバーを押して水を出すタイプ。JR185系にあるような独立した手洗い場というのすらなければ、バリアフリーでもないという。

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3号車デッキは広めで、そこになにやら不自然な台が。公衆電話が置いてあった…と推測しますけど、デッキで声駄々洩れだということを考えると違う可能性も?

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確か2号車デッキ。ここは広めに造られています。

他の号車の客室は4号車と比べそんなに大差が無かったので、省略ぅ。

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そうこうしている間に北千住到着。下り列車は一般ホームを通過し日光側に設けられた特急のりばへと滑り込みます。

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北千住から特急乗る用事というのが全く無いせいで、いまだに北千住特急のりばは使ったことがありません。

発車メロディーを即切りし、列車は複々線区間

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いくら古い車両といえど、特急列車。線形のいい複々線区間をフルスピードで爆走します。「古いから遅い」なんてこともなく、気持ちよくぶっ飛ばしていきます。そもそも古い=遅いというのは、低速が当たり前だったツリカケから新性能電車に移行する時代の話です。

350系と70000系、相当な年の差の電車がこう並んで走るというのはなかなか不思議なもの。

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あっという間に北越谷を通過し列車は再び複線区間へ。なお列車の快走は止まらず、停車駅の春日部へ。春日部は距離的に常磐線でいう柏的な存在ですが、この先水戸とかいわきレベルの大型都市が無い点では違います。ここでわずかに客を乗せ、列車は日光方面へ。


このあたりから後ろからズルズル…という音が聞こえてきました。誰ですか車内でラーメン食べてる人は!(; ・`д・´)ラーメン食いたくなるやろ!

日光にお昼ごろ到着するダイヤということで、ラーメンに限らず車内に駅弁だの牛丼だの持ち込んで食べている人が結構おりました(牛丼チェーンの牛丼を持ち込んで食べている人がマジでいた。ちなみに中身チー牛ではなかった)。私も駅弁持ち込めばよかったか?と思うも後のまつり。

というか乗客の皆さんフリーダムすぎませんか???

 

列車は春日部を超えると車窓には住宅街に混じって田園風景が見られるように。

東武動物公園駅を低速で通過し、列車は日光線へと入っていきます。

 

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ところでこれ前に撮った写真でして、このとき南栗橋にて運転停車していたんですよね。どうして南栗橋運転停車していたのかは分からないですけど、せっかくなので運転停車の様子も撮ってみましょうkn

 

350系「ぶおぉ~ん!」(加速)

    「ブワ~!」(南栗橋爆速通過)

私「嘘ぉぉぉん?!」

 

すっ飛ばしやがりましたよコイツ。いやわざわざ停まる必要性もないんですけどね。だとするとなんであのときは停まったんでしょう??

 

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南栗橋を過ぎると、本格的に田園風景が広がるように。JRとの乗り換え駅栗橋は当然通過、右カーブで堤防に侵入すると利根川橋梁をガタンガタンと音を立てて通過、お情け程度に1往復分の列車が停まる板倉東洋大前も無慈悲に通過、列車はひたすら北へ向かいます。

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渡良瀬川橋梁を通過します。

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その後、普通列車の退避があるわけでもない新大平下を軽く通過し、高架を駆け上がると栃木駅に到着です。2面3線なので列車追い抜きができる…かと思いきや、中線は上り列車が折り返す以外に能のない駅です。

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今度は逆に高架を下ると、新栃木駅へ。宇都宮線との乗り換え駅ですが、宇都宮線の列車は僅か5分前に発車済み。土休日臨だからね仕方ないね

朝夕にここを発着する特急が何本か設定されているものの、このうち東武日光側に抜けるのはきりふり号のみ。もしきりふり廃止となった場合、日中の新栃木停車列車は消滅してしまうのでしょうか?

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新栃木~下今市間では数少ない特急退避可能駅、東武金崎を通過。

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思川を通過。

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新鹿沼に停車。前に乗ったときは気付かなかったんですけど、特急が停まるだけあって結構大きな駅なんですね。

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新鹿沼を過ぎると、列車は山間に突入。栃木周辺から…正確には静和辺りから進行方向左側には山が見えていましたが、ここに来てようやく山間です。

終点までは残すところ30分を切っており、ここまで来たんだなぁという感じがします。

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ここまで平地を走ってきましたが、ここに来て一気に勾配区間へ。列車内からでもわかるくらい車体を後方に傾けながら、列車は力強く登ります。

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明神を過ぎると、東武線内唯一の山岳トンネルへ。…といいつつも、実質的には国道121号の立体交差。日光線は堀を掘ってそこに線路を通す形を採用しており、道路があったからここだけは仕方なくトンネルにした感じで、距離は短く一瞬で走り抜けてしまいます。

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SL車庫が見えるとそこは下今市駅

かつて特急が「特別急行」であった時代、ここ下今市駅は唯一の途中停車駅だったそう。確認する限り、100系登場当初の90年台にはこのかなり飛ばす停車パターンだったことが確認できましたが、現在は原則とうきょうスカイツリー・北千住・春日部・栃木・新鹿沼下今市という途中停車パターンに変更されています。ちなみに複々線のおかげか所要時間は5分程度しか変わっていません。

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鬼怒川線との列車と接続を行い、鬼怒川線と分かれていきます。

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勾配を力強く登り、左手にJR日光駅が見えると間もなく東武日光

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2時間の旅でしたが、30分単位で案外目まぐるしく景色が変化していくのもありあっという間という感じでした。

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東武日光駅はY字に線路が分かれており、特急は進行方向右側の線路2本のどちらかに入ります。

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停まる寸前、こんなものも。おそらくJR日光線の過走対策用の線路でしょうか、が見えていました。

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そして列車は終点東武日光に到着。その小さな旅はもう終わっちゃったのか、と思うとなんだかしんみりしてきます。

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せっかくなので列車の写真でも…って結構人多いな!

定期特急がまだ空いているにも関わらずこの列車に乗ってきた…すなわちマニアの人が結構いたということでしょう。入れ替わり立ち代わりで様々な人が列車の写真を撮りに後方までやってきていました。中に女性が混じっていたのが珍しいです。

引退の香り(?)を嗅ぎつけてやってきたのかな?ととも思いましたが、真相ははたして。

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前面までやってきました。もうすでにテールランプをつけています。

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続行でリバティけごんが到着。浅草発時点では22分差でしたが、東武日光到着時には12分差にまで詰められています。この列車はリバティけごん17号。下今市までリバティ会津117号を併結します。

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ということで350系きりふり号、浅草→東武日光を完走してきました。この後の行動はさておき、帰りは6050系区間急行で帰宅しました。いくら350系はリクライニングしないといえど、急行型。6050系と比べるとさすがに快適さは上です。とはいえリクライニングしない座席、和式お手洗いとなると接客サービスとしては時代錯誤、そして現代の特急と言い切るには外装デザインがかっこよくないというのも致命的(※愛嬌はあると思いますし好きな人は好きだと思います)。車内サービスは改善すれば使えなくもないですが、車内デザインもやや陳腐化していることとそもそも老朽化していることを考えればもう廃車は間近でしょうね。350系自体、もう何度か故障を起こしてしまっているようです…

予備車のことを考えれば、しばらくは350系は使われることでしょう。ただ冒頭で述べた通りもう平日の定期運用を失っていて、しかもきりふり号だって他特急で代替可能な列車であることを考えるともう先は長くないと思われます。というか下手したら"部品取り"の名目での廃車が出かねません

公式サイドから正式に引退が決定すれば、他地方からの鉄道ファンもおそらくは乗りにくることは間違いないでしょう。そして東武特急は全車指定席。もしも350系に乗りたい!という方は公式サイドからの発表がないうちに乗りに行くことを強く勧めます

おそらくタイムリミットは新型特急のデビュー、および100系の余剰が出るタイミング。すなわち来年か再来年までだと思われます。

記録・乗車はお早めに!!

 

 

オマケ

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廃止になった日光軌道の列車がここ東武日光駅前に移されていたので、せっかくなので写真を。通常時には中に入れません。

当時の床下機器までじっくり見られるので、機械マニアにはたまらない保存車両だと思います。

ところでコレ結構貴重な車両だと思うんですけど、こんなところに屋根も着けずに置いて大丈夫なんでしょうか…?流石に清掃保守管理はすると思いますが。

 

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ちなみにその後、少し時間あったので乗り鉄して温泉入ってきましたが、その様子は気がノったら書きます。ただでさえ書き貯めが多いので、書かないかもしくは書いても遅くなるかもしれませんが…

 

旅ブログもよろしくお願いします↓

くさせんべいの記事リンク集

*1:そういう名前らしいメロディー。直訳すると「乗客」

速報!THライナー2号ファーストラン乗車レポ


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おはようございます。くさせんべいです。

6月6日、本日のダイヤ改正をもちまして、悲願の「THライナー」が運行開始されはじめました!

現地レポートと題して、乗ったときの様子と感想を簡単にレポートしたいと思います。

 


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8時頃、久喜駅。列車はこの時間は使われないらしい3番線に入線。ホーム先端にはファンが多数いました。

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扉はどうやら各車両久喜館林側の1ドアのみが開くようです。

70094Fが充当されました。

 


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座席はリクライニングなし。やや固めのシートで角度もそんなにゆるくないですが、ライナーとなると案外快適です。座席枕カバー?、荷物フック、ドリンクホルダー、あとコンセントがありました。左右肘掛けは固定、座席間は上下にできます。また座席は特急と同様、足元のペダルを踏むと回転できます。ただし回転時のシートピッチの狭さは絶望的なので注意です。

窓際は足が伸ばせないので伸ばしたい人は通路側またはロングシート区画を指定した方がいいです。

コンセントは前のもの以外に、座席によっては足元にもありましたが、間抜けな私はコンセントに差すプラグを忘れました…

座席棚があるので、背の高い人は要注意です。

 

列車は警笛を鳴らして出発。その後も、東武線内では出発の度警笛を鳴らしていました。そんなにファンが密密密になって危ないわけじゃなかったので、おそらくサービスホーンかと思われます。

先頭のかぶり付き区画は人がいっぱいいました。


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走行中ですが、速達性は非常に高く、特急並みにガンガン飛ばしてました。北春日部で各駅停車を、草加で急行だか準急だかを追い越しました。

せんげん台では接続無し、南越谷では各停の接続を受けました。

 

列車は西新井ー梅島の区間で内側線に転線。速度制限が厳しめのようで、西新井を通過するまでには大幅に減速していました。転線は結構ゆっくりめ。

内側線に入ると、各駅停車の間をぬって走るためかずいぶんとゆっくりに。北千住直前の分岐器通過もゆっくりでした。最前方には全面展望を撮りたいファンが集まっていました…

 

北千住では7番線でなく、普段折り返し列車が止まる6番線に到着。予想通り運転停車しました。7番線には各駅停車が止まっていて、こっちが停車すると各停は直ぐに発車。以後、各駅停車に続行する形となり、列車はノロノロ走行に。「東武線内での速達性を保証する」というのがこの列車の趣旨のようでした。

北千住駅での運転停車にあたってのアナウンスは皆無。車掌による「乗務員交代のための停車」という案内はあってもよさそうです。



日比谷線内では各停の追い越しもないようなので必然的に低速運転。ただ霞ヶ関まであの急発進急ブレーキが無いので乗り心地は良いです。


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霞ヶ関からは各停に、ドアも全てのドアが開くようになり、日比谷線特有の急発進急ブレーキもこの駅からは行われます。新駅虎ノ門ヒルズ駅にはたくさんのファンがいました。

 

各停区間では少し戸惑いを見せる人もいましたが、そんなに混乱は起こらなかったようです。

終点恵比寿でファンが狭い区間に集まり、注意が頻繁にとんでいたのが最後の最後でちょっと残念だったところでしょうか。

 

まとめ

  • 東武線内は速達性が特急並みと非常に高い
  • 外側線→内側線の転線はゆっくり
  • 転線後および日比谷線霞ヶ関までは低速
  • 北千住で運転停車
  • 霞ヶ関より普段の各停と同じ走りになる
  • リクライニングしない点をのぞけば、かなり快適
  • ファーストランは比較的平和に終わる

新田駅にあった不思議な案内と時代の跡

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こんにちは。くさせんべいです。

本日、緊急事態宣言がようやく解除され、伝染病の猛威も少しづつ鳴りを潜めるようになってきました。とはいえまだ油断できそうにはないので電車での移動はここ数週間は控えつつ、趣味の方も密を避ける形で楽しんでいくことにします。
この状況なら夏に一旦収束、冬になってまた猛威を振るう…という流れでしょうか。

 

さてこの外出自粛期間ですが、ちょっと欲求不満が結構きついレベルになりつつあったので密を避けつつ駅撮りをしてきました(無論マスク着用)。

電車では3つの密…は全て満たさなくとも密集、密接の条件を満たしてしまう可能性があったので、高架に並走しながらチャリンコを走らせること数十分、埼玉県南東に位置する蒲生駅新田駅に行きました。入場券買ってそそくさ入場。

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↑カンケーないけど綾瀬川にぷっかぷっか浮かんでた謎の鳥共。

わざわざ急行が停まる越谷等各駅でなく各停駅まで来た理由は複々線を高速通過する列車が撮りたかったからですが、ここで撮った写真は後々に貼り付けておくことにします。

駅撮影中、駅設備を見ていてふとこんなものに気づきました。

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おそらくと言うか、停車位置目標…?的なものです。

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ホーム後ろ側、停車時に車掌の乗務する乗務員室の付近にあり、停車時にこのマークを指差し確認しています。おそらくは車掌が、列車が正確な位置に停車したことを確認するためのステッカーでしょう。

「小8」は20000系・03系18m級車両8両編成のこと。20000系撤退に伴い日比谷線直通は20m級7両編成に統一され、全く不要の代物と化しました。その時点では代走…という可能性が無きにしも非ずでしたが、次いで北越谷駅のホームドア設置が決まったことで20000系が来る可能性は0%となりました。

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定期運用の消滅した小8以外にも、定期運用のある7両用・6両用も存在します。

ちなみに18m用の乗車位置案内ははがされていました。

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こんな感じで上部にも停車位置目標があります。

 

さて、引退した車両関連は一旦置いておきます。私が気になってるのはむしろこっち。

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20m級8両編成の各駅停車なんてあったっけ?

…いくら10000系の各駅線運用に何度も乗車した地元住民であるとはいえ、その全列車が6両編成で運転されているかなんて知らないのでもしかしたら8両での運用もあるのかもしれません。ですが私が今までに遭遇した浅草発着の各駅停車は全て6両編成でした。

もしかしたら代走やダイヤ乱れ時用かもしれませんし、過去に定期運用があっただけかもしれませんし、そもそも日比谷線直通用に小8用ホームを確保したついでに20m対応にしただけかもしれません。まあそんなのはさておき、複々線の各駅は20m級8両編成に対応してるようです。点字ブロックもおあつらえ向きに8両編成分だけ確保されています。ちなみにホーム長さだけなら9両もギリギリいけると思います。

これがホームドア設置でどう変わるのか…7両まで対応なのか8両まで対応させるのかは不明ですが、事実として8両停目は現在ではあんまり使われていないことになります。今後この駅にもホームドアが設置されるので、要観察ポイント。

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まあ実際こんな感じで急行線を走れない区間急行が緩行線に突っ込んでくることもあるので(※相当なレアケース)、非常用にもホームドアは8両対応になると予想。隅っこのホームドア錆びないよね?

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とりあえず、停目を縦写真で。

 

 

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そしてもう一つ気になるのはコレ。

…え?女性専用車が気になるのかって?馬鹿言わないでください。後ろのやつです。

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コレです。何てことない案内に思えますが、この1文に時代を思わせる文章が隠れています。

何かっていうと、『4両と6両編成』のところ。

現在、スカイツリーラインでの4両編成各駅停車の運用はありません

…いや、私も全ての運用を把握しているわけではないので断定はできませんが、空いてることも少なくない日中の北千住ー浅草での運用が6両編成である以上、4両編成による定期運用がある可能性はかなり低いです。

6両編成の電車はあるので、おそらく書き換え・部分隠し共に面倒ということでこのまま放っておいているのでしょうが、ともかくこんなところで時代を感じさせるモノがありました。

 

新田駅が高架化されたのは複々線工事真っただ中の1985年。複々線工事を進める中で綾瀬川直前まで一旦高架化され暫定的に複線として運用していました。その当時より前から輸送の抜本的なテコ入れが始まっていたので輸送力貧弱な4両編成での運用があったかは不明ですが、少なくとも東武は4両編成の電車の運用を想定してあの案内を作ったのであろうことは間違いないです。

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ということで撮影時にちょっと気になったポイントを書いてみました。

あとは新田&蒲生で撮影したやつテキトーに貼り付けておきます。

無断利用はしないでね。

 

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例の廃止寸前の太田行も撮っていました。とはいえこればっかりは動画からの切り抜きなんですけどね。

やっぱ10000系はかっこいい((((

 

あ、そうそう、この太田行撮ったときなんですが、ある鉄ヲタはギリギリで来てこの列車を撮った後間髪入れずに(=改札に行って戻ってこれるだけの時間を挟まずに)逆方向の電車に乗って戻っていきました。この区間をフリー乗降できるフリー切符はありませんので、多分キセルしてますねぇあいつ…。

いくらバレないとかおこずかい()が無いとか言っても、絶対キセルはしないように。鉄道会社を応援してるならなおさら。

 

うーん、自宅から新田までの往復はさすがにメンドイ。